認知症を持つ患者さんや高齢者を対象に活動しています。
認知症を持つ患者さんや高齢者は身体的変化や入院という慣れない環境、苦痛や困りごとをうまく伝えられないなど様々な要因でせん妄や行動・心理症状を起こすリスクがあります。入院初期から環境調整やコミュニケーション方法などケアについて病棟看護師や医師とともに検討し、身体抑制や向精神薬の使用を最小限に、安心できる環境で適切な治療を受けることが出来るよう支援しています。また、意思決定支援など倫理的な問題や退院後の療養生活に関する問題に関する相談にも対応しています。医師(精神科、神経内科、総合診療部)、医療ソーシャルワーカー、認知症看護認定看護師、看護学科(老年看護学)教授など認知症や高齢者に関する専門知識を持ったメンバーで構成されており、様々な視点で患者像を捉え、よりよいケア・治療について検討しています。
当院の周辺地域は高齢者が多く、重度の褥瘡を保有し治療目的で入院となる患者さんも多く、また院内発生例では、先進医療の発展やデバイスの多様化により発生する褥瘡が増えている現状があります。褥瘡は、患者さんを消耗させ回復を妨げる要因となるため、当院では、他職種で構成された褥瘡対策チーム(皮膚科専門医師、専任看護師、褥瘡管理者、栄養士)が中心となって褥瘡の発生予防や早期治癒を目標に支援しています。週1回の回診や患者カンファレンスでは、循環・清潔・栄養面など患者さんを多角的に捉え、生活者の視点で支援することにこだわって検討を重ねています。また実際にベッドサイドへ訪問して、褥瘡の評価や処置方法の検討、体圧分散マットレスの見直し、ポジショニングなど、患者さんの状況に応じたケアについて、病棟看護師と共有してケアにあたっています。
ICT(感染制御チーム)は、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師で構成されています。
手指衛生、標準予防策・経路別予防策などの基本的な感染予防策の教育・啓蒙活動、院内環境ラウンド、抗菌薬適正使用支援、血液培養陽性者ラウンドなどを行い、それぞれの職種の専門性を活かし、協働して院内の感染対策に努めております。
また、地域医療機関との相互ラウンド、合同カンファレンスを実施し、相互の情報を共有し地域の感染対策にも取り組んでいます。
呼吸療法サポートチーム(Respiratory Support Team)は、医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、管理栄養士など他職種で構成したチームです。人工呼吸器管理中の患者さんをはじめ、呼吸療法を必要とする患者さんの回診を行っています。呼吸療法は、適切に治療・ケア・安全管理が実施されることが早期回復に繋がります。呼吸療法におけるケアや医療事故の防止を支援し、患者さんがうけられる呼吸療法の質を高めるために活動をおこなっています。
がん患者さんは、がん自体の症状のほかに、痛み、倦怠感などのさまざまな身体的な症状や、落ち込み、悲しみなどの精神的な苦痛を経験します。がんと診断された時から、患者さんの身体的な痛みだけでなく、精神的な苦痛も軽減できるよう努め、「その人らしく生きること」を目標に治療や療養生活をサポートしています。生活の質を維持し、最期まで住み慣れた家・街で暮らしたい、最期まで自律していたい、最期まで自分らしくありたい、そう思われる患者さんもいらっしゃいます。患者さんの闘病生活の最後まで、できる限り高いQOLを維持できるよう、社会生活や経済面の問題、患者さんを支えるご家族の悩みも含め、緩和ケアを専門とする他職種で一丸となり支援します。