当院ではFish!哲学に基づき、遊ぶ・人を喜ばせる・注意を向ける・態度を選ぶ。これら要素を1人1人のスタッフが実践し、自分も周りの人も元気に働けるよう様々な工夫をしています。この4つのコツを患者さんのケアにも取り入れています。例えば、病棟で季節のレクリエーションを開催して、入院中も季節が感じられるようにと年間を通じて様々な企画を考えます。
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日々の看護実践には、患者さんにとって良かったなと思える場面や、どうしたら良かったのだろうか?と迷う場面が沢山あります。困ったり迷ったりした患者さんのカンファレンスを開催し、患者さんの像を捉えなおして関わることで良い結果を得られた実践も現場には沢山あります。このような実践を報告し他部署の看護師と共有する場が実践報告会です。毎回多くの看護師が参加します。具体的な看護場面や患者さんの反応の変化に感動したり、看護のヒントがみつかったり、私たちも頑張ろう!とエネルギーをもらったりする場となっています。
看護実践報告会の中から、ケースをご紹介します。
50歳代のがんの女性Aさんは、夫とワンちゃんの3人暮らし。Aさんはターミナルの段階で、個室に移り痛みのコントロールをしながら過ごしていました。夫は、妻が喜ぶ何かをしてあげたいと考え悩んでいました。私たちは、患者さんの人生や生活の情報から、何がここでやれるかを一緒に考えました。そこで、個室をご自宅のように整え、少しでも安楽にリラックスできる環境を整えることにしました。そして、病院の許可を得て、病室で、愛犬との面会が可能となり、短い時間でしたが、ご主人と愛犬との時間を実現することができました。
❤ 夫から妻へ ワンちゃん面会のプレゼント
❤ 妻から夫へ 折り紙に書いたラブレターが夫に届きました
妻が亡くなってからも夫は上着のポケットに折り紙を忍ばせて会社に通っています。
60代のターミナル期の男性。がんが脊椎にも転移し、下半身麻痺の状態となった段階で、化学療法を中止し、余生を自分らしく生きることを選びました。患者さんの目標は、故郷の関西で開かれる、母親の法事に出席する事でした。その日の外泊までに、リハビリで上半身を鍛えたいと努力する患者をサポートし、不安だという妻の具体的な困りごとを一つずつ解決していきました。また、地元に到着してから、現地の看護師のサポートが受けられるよう、起こりうることを予測した調整を行いました。ご夫婦は、力を合わせて外泊することができ、「故郷の空気を吸って、良い思い出となりました」と外泊の様子を語ってくれました。